Comprehensive Examinations(通称:コンプ、総合試験)の方法は、学校によっても学部によっても違います。また、Qualifying
Examinations(適性試験)という名前で呼ばれているところもあります。
私が在籍する大学のソーシャルワークの博士課程は、合計で2度、コンプが実施されます。1度目は、1年目の必須科目を全て終了した直後。2度目は、2年目のカリキュラムを終了した直後です。
この項では、1度目のコンプについて書きたいと思います。
「博士課程のカリキュラム」の項で紹介したように、1年目には、
中級統計学
ソーシャルワーク哲学
量的研究方法論
上級統計学
質的研究方法論
社会政策の考察、分析と評価法
の6教科を履修しました。
アメリカの学期は9月に始まり、5月に終わります。5月から9月の間には夏学期があり、その間の履修は自由とされています。しかし、コンプを受験するためには、夏に最低3単位(1クラスに相当)履修していることが決められています。
コンプが行われるのは6月中旬。5月初旬に春学期が終わってから1ヵ月の間、コンプの勉強を集中的にすることになります。
コンプの試験範囲は、6科目、授業で学んだこと全てです。また、それぞれの知識を、自分の専門分野に当てはめて答えられるようにしておかなければなりません。
試験の方法は、オーラル(口頭試験)。6人の教授を前に座り、1教科につき約15分間、合計1時間15分の試験です。(統計は、中級・上級合わせて15分。)担当の教授から質問を受けることになります。採点は、教授陣が無記名で1教科ずつ投票。6人中4人が合格を出せば、その教科は合格となります。
2年生に進級するためには、全ての科目で合格をもらう必要があります。1度だけ追試のチャンスが与えられ、それでも合格できない場合は、博士課程を強制的に退学させられてしまいます。