ソーシャル・ワーカーとしての素質

ソーシャル・ワーク修士課程では、「異文化・異人種と人の行動(Human Behavior and Diverse Populations)」というクラスを履修しなければなりません。簡単に言えば、「文化的、社会的、歴史的、人種・民族的・・・に多様な環境や背景が、人々の行動にどのように影響するか」といったことを学ぶクラスです。そのクラスの最終日、教授が生徒一人一人にプレゼントを手渡しました。

それは、「Diversity Kit(種々雑多一式)」。

 「ボタン」「ライフ・セーバー(商品名)のキャンディー」「爪楊枝」「金の糸」「ミント」「消しゴム」「虫眼鏡」「マーカー」ともに、各アイテムの意味を記したメモが添えられていました。



■ボタン:これは、人の感情を傷つけるようなこと(人種、男女、性別嗜好差別的な発言やジョーク)を言うことがないよう、"唇にボタンをかけよ"と、あなたに思い起こさせるための物です。

Button: To remind you to "button your lip" to keep from saying hurtful things about others, including racist, sexist, or homophobic remarks or jokes.

■ライフセーバーのキャンディー:これは、個人の自尊心をズタズタにするような批判的な発言に出くわした時、勇気を持って立ち向かえば、あなただって人々の"ライフセーバーになりえる"ということを思い起こさせるための物です。

Lifesaver Candy: To remind you that you can be a life saver to others by courageously standing up to negative statements that can erode an individual's self-esteem.

爪楊枝:これは、人種や性別、年齢やさまざま相違に関係なく、人の長所を"引き出してあげられるのだ"ということを、あなたに思い起こさせるための物です。

Toothpick: To remind you to "pick-out" the best qualities in everyone, regardless of race, gender, age, or any difference.

金の糸:これは、友情や親切心は、まるで人々の心を繋ぐ金の糸のようなものである、とあなたに思い起こさせるための物です。

Golden Thread: To remind you that friendship and kindness are like the golden thread that ties together the hearts of everyone.

ミント:これは、差別や嫌がらせを取り除くために、家族や組織や仲間にとって、あなたは「ミント」のように価値がある存在であるということを思い起こさせるための物です。

Mint: To remind you are worth a "mint" to your family, organization and neighborhood by eliminating discrimination and harassment.

■消しゴム:これは、間違いは避けては通れないものであり、当惑を"無くす"には、過ちを犯した時に謝ることであると、あなたに思い起こさせるための物です。

Eraser: To remind you that mistakes are unavoidable, and that we need to erase our embarrassment by apologizing when a mistake is made.

虫眼鏡:これは、人種差別、年齢差別、障害者差別、ありとあらゆる差別的行為に対し、あなたや組織がどれほど厳重に目を光らせることができるか、ということを思い起こさせるための物です。

Magnifying Glass: To remind you to look more closely at how you and your organization respond to acts of racism, ageism, ableism, and other forms of discrimination.

マーカー:これは、あなたがリーダーという"軌跡(マーク)"を残すことで、人々を幸せにし、人はみな特別な存在であるということを伝えることができるよう、あなたに思い起こさせるための物です。

Marker: To remind you to make your mark as a leader, to have fun, and always try to make people you work with feel special.



ソーシャル・ワーカーという、人を助ける職業。このDiversity Kitは、ソーシャル・ワーカーとして働くために必要な素質などを改めて気付かせてくれたのでした。